邦画 いろいろ

邦画は余り沢山は観ていないので一つにまとめてしまいました。最近は特に原作付き(マンガからドラマ、さらに映画化とか・・・)が多いので触手が伸びないのもあります。

「長い散歩」長い散歩 プレミアム・エディション [DVD] 逃げたくなって逃げてしまった話。結果大変なことになるのは分かっているけど今はそんなことを考えずに限られた「逃走」を楽しんでみようと感じる話でした。野良猫のように懐かない少女の心を開かせたいという勝手な自己満足では終わらず、「共存」そこでしか生きられないことを理解させようとする主人公の男。それすらも自分の希望でしかないことを分かりながらも人に期待すること、信じることをやめられない人の悲しさ、弱さ。優しさが詰まっています。
「スワロウテイル」スワロウテイル [DVD] 退廃的な空気漂うストーリーにリアリティが感じられる。いなくてもいい者だった自分の居場所を自分で勝ち取ろうとあがくサクセスストーリーにも思える。何度も観たくなるのは間違いない。観た人によって、観た時によって感想は違ってくるかもしれない、でもそれがこの映画の味だと思う。
「12人の優しい日本人」
12人の優しい日本人 [DVD]
「12人の怒れる男」というドラマ(後に映画化)をオマージュとした三谷作品の戯曲を基にした映画です。人の一生を決める裁判の陪審員となっても人は自分の価値観を譲らなかったり、簡単に人の意見に左右されてしまうという風刺的なストーリーです。「陪審員の在り方」という堅い話は薄く、普通の人たちが自分の信じる決定を他人に下す難しさが「真面目におかしく」描かれています。
「手紙」手紙 スタンダード版 [DVD] 東野作品の映像化では一番成功していると個人的に思っています。もちろん原作には敵わないけど十二分に楽しめました。犯罪者の家族であることに負い目を感じなければならない、前に出てはならない、なんで自分が、なんで兄が、毎日そんな思いに囚われながら自問を繰り返し、挫折と世間の冷たさを一身に受けながらも前向きに成長していくストーリーです。
「ブース」ブース/booth [DVD] これを見て主役の役者さんを見直しました。なんか元気で正義感いっぱいなキャラが定着しているのですが、この映画での主人公役、いやみで薄っぺらい男ぶりがうまい。そして日常ではあり得ないトラブルが連発するところがまた面白い。こんな男はこれくらいの目にあってもおかしくないよと共感させられる。巧みな演出に見てる側も乗せられちゃうんです。いきなり過去のシーンに移ったりして「あれっ?」と思うところもありますが、全体的に背中をゾクッとさせる内容。スプラッタや幽霊が苦手な人でも楽しめる怪談です。
「呪怨」呪怨 [DVD] ジャパニーズホラーの真骨頂と言えるのではないでしょうか。まさに呪いのテロリスト。時系列はバラバラですがオムニバス形式で呪怨の発信者が少しずつ分かってくるのも面白い構成。だからって何一つ解決せずに拡大、悪化していくだけなんですけどね。監督の精神状態が心配になるくらい悪意に満ち満ちた呪いの話です。一人では怖すぎて観られません。観てしまったけどね。
「AKIRA」AKIRA 〈DTS sound edition〉 [DVD] いきなりのアニメですが、海外でも大絶賛、ディズニーなんか目じゃないと英プレミア誌に言わしめたジャパニメーションの最高傑作とも言える映画です。アニメ製作へのコンピューター導入がまだ少なかった80年代後半に作成された、正に職人技といえる緻密な書き込みによって完成された見事なアクションシーンは必見です。